研究用の人材確保のために,派遣社員を活用するケースが増えています。研究の規模や期間に応じて柔軟に人員を調整できるため、臨時的なプロジェクトに対応できるからです。また長期的なプロジェクトの場合でも、必要な人員数を迅速に確保できるため、プロジェクトの進捗に重要な影響を与えないことがメリットです。しかしデメリットもあるので注意が必要です。
まず研究を継続できなくなる問題があります。派遣社員はプロジェクトが終了すると、次のプロジェクトに移ることが多いため、研究を継続できなくなる可能性があります。次にクライアント企業に知識が定着しないのが問題です。派遣社員はプロジェクトが終了するとチームに残らないことが多く、彼らが持っている専門的なスキルや知識はチームに定着しない場合があります。
またチームワークにも問題が発生しやすいことも注意すべき点です。派遣社員は、正社員である他のチームメンバーとは異なる待遇を受けるために、チームと一体感を持ちにくくチームワークに悪影響を与える可能性があります。例えば彼らは自分の立場が一時的であることを理由に、他のチームメンバーに適切に協力しないかもしれません。また、チームの文化や習慣に適応するのに時間がかかる場合があるため、チーム内のコミュニケーションに問題が生じることもあります。
知的財産権の問題も重要です。派遣社員が生み出した知的財産権は誰のものになるのかという問題が生じます。表面上は契約書でこの問題をクリアすることができますが、感情的なしこりがのこりがちです。このように、研究用の人材をアウトソーシングに依存することにはデメリットがあります。
各企業の状況に応じて,適切にアウトソーシングを活用することが重要です。